何も出来ない

何も私は、ある1人の男性に恋をしました。
特に個性があるわけでも、主張が強いわけでも目立つわけでも無い彼。
それでも私は恋をしました。

好きになれば、彼が目立った存在に見えてきますし
また彼の視線を何とかして自分に向けることが出来たら・・・と考えるようになって行きました。

実際、時々彼とは徐々にコンタクトを取る密度が濃くなっていましたし
恋愛関係を期待する瞬間も沢山出てきました。
たとえ、短いサイクルで恋が終わってしまうとしても、彼と繋がりたい。
そう強く願うようになったのです。

それからは彼のことを特別な存在だとアピールするようになりました。
きっと、その言動は彼に伝わっていたと思います。
が、彼とは仲良くなっていくものの恋愛的な関係に近づいている雰囲気は皆無でした(苦笑)

そんなある日、彼とのメールや電話同様のつながりの1つである某SNSで彼の一言を見ました。
「ある人と話をしていて同時に眠ってしまったからまた電話が来ても良いように待機している」
という早朝の呟きでした。

それを見たとき、私は彼の意識の中では蚊帳の外で何も出来ないんだという状況を受け止めることとなりました。
辛いことではありましたが私はそうして1つの思いにそっと区切りをつけたのです。

人には誰しも、その人生において特別な出会いがきっとある!

私にとって、最も印象的な出会い。
彼との出会いは大手電機メーカーの書籍コーナー、勤務初日のことでした。
私はその頃別のアルバイトと掛け持ちで働くことに決めた、いわばフリーターであり、彼は近隣で有名な大学の3年生でした。
数ヶ月前にバイトとして雇用されていた彼は、不慣れな私を気にかけ、仕事に始まり職場のあれこれを教えてくれたりと、何かと助けてくれる優しい人でした。
といっても良い人だな、という印象こそあれど、当初は異性として意識するまではいかなかったのですが、彼の方が私を見初めてくれたようで、仕事上でも付き合いが長くなるにつれお互いのことも知ることができ、数ヶ月の後に交際に発展したのです。
私は最終的にその書籍コーナーの方の仕事ではなく、元々していた仕事1本で働くことにして同僚という間柄ではなくなったのですが、その頃にはもう付きあいも長くなり、その後も交際は何の問題もなく続きました。
後になって思ったことですが、私がその大手電機メーカーの書籍コーナーの求人広告を見掛けたのも偶然ですし、フリーターは何かと大変だと聞いていた為に面接を受けるか迷ったという経緯もあったものですから、あの時私がそこに行かなければ出会いが無かったと考えると、何だか不思議な感じもします。
それに交際期間中に彼が遠方の勤務先に就職した為、いろいろと不安もあったのですが、週末にマメに帰って来てくれたりと、出会った頃から変わらず彼は誠実な人で、この人なら…と段々思いが芽生えてきた頃に、プロポーズをしてもらいました。
そう、今の主人は、その時の彼です。
出会いから交際4年目にして結婚することとなり、子どもも一人生まれて幸せに暮らしています。
出会いは、本当にどこに転がっているか分かりませんね。
思うのは、人には誰しもそういう縁があるのではないかな、ということです。
私もこの縁を大切に、末永く家族仲良く過ごしていきたいと思っています。